ある夏の日のことでした。
僕は森で拾った1本の枝切れを見て、 ふと人形を作ってみようと思いつきました。
人形は自然とできあがり、彼は何か言いたそうだったので 胸には文字を書いてあげました。
それを見た相方は とても喜んで、小さな人形を作り始めました。
まもなく人形たちを自然の中に連れ出して 記念写真を撮るようになりました。
いつの間にか、彼らには「キノスケ」…という名前がついていました。
美し森という見晴らしの良い丘があって、そこは草木が茂る、妖精が出てきそうな場所でした。
キノスケたちが増えてきた頃、彼らを連れて行って、写真を沢山撮りました。
自然の中で写真を撮ってみると、人形たちは生き生きとした表情を見せてくれます。
気の向くままに、あちらこちらと、お気に入りの場所にキノスケたちを連れて行きました。
そうして、彼らの記念写真が1枚、また1枚と増えていくことになったのです。
里の樹(さとのき)は、naockyとelico の2人組です。
八ヶ岳の南麓に移り住んで、森と共に暮らす中で、キノスケたちを作るようになりました。
naockyが大きい人形を、elicoが小さい人形を制作しています。写真を撮るのが得意な naocky が中心に撮影をして、人形のおなかの文字はelicoがよく描いていました。
そんな風に共同作業で、2003年~2019年にキノスケ達と一緒に森のおはなしを創作してきました。
森のそばに居ることは、とても心地がよくて
心をくつろがせ、癒してくれることを感じます。
森には “優しい静けさ” とでも言うような不思議な何かが宿っているような気がします。
そんな森の気配や優しさを感じとって頂けたら嬉しく思います。
自然と共に暮らすことは、大きな喜びであり
かけがえのない宝物のように感じます。
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